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薬学科の卒業生の活躍


卒業生の声

2003年度卒 木本絵美

製薬企業において医薬品の安全をサポートする

2004年度卒 河部友美
扶桑薬品工業株式会社 研究開発センター 学術部門

2009年10月30日、大阪市の扶桑薬品工業株式会社内で、本学卒業生の河部友美さんにインタビューを行いました。河部さんは、現在、扶桑薬品工業株式会社の研究開発センターの学術部門にお勤めになっています。まず、河部さんから会社説明を受けて勉強させていただいた後、1時間30分にわたるロングインタビューが実現しました。

― 入社されるまでの経歴を教えてください。

私は、武庫川女子大学の薬学部生物薬学科を卒業しました。その後武庫川女子大学大学院の修士課程に進学し、生化学U研究室(吉田雄三教授)で二年間学びました。その後扶桑薬品工業に入社し、研究開発センターの学術部門に配属となりました。

 

― 薬学部の大学院に進学された理由は何ですか?

最大の理由は大学四回生の時、所属していた研究室での研究テーマを、もう少し自分自身で調べてみたいなと思ったことですね。また、研究とはどんなものなのか、そのプロセスが自分に向いているのかどうか、わからなかったとので試してみたい気持ちもありました。

― 製薬会社でのお仕事を選択された理由について教えて下さい。

私は常々、薬学部において学んだ幅広い知識を、フルで活かしながら働きたいと思っていました。製薬会社では、新薬の開発をしたり、市販されている医薬品について調査したりと様々な角度から医薬品を追求しています。多くの医薬品を通して社会に貢献することができる製薬会社は私にはとても魅力的でした。

製薬会社では、薬を世に生み出すことで、たくさんの方を救うことができ、医療に大きく貢献できます。そして、また次の夢も広がるので、やりがいや魅力がいっぱいです。

― 今のお仕事の内容について詳しく教えて下さい。

「学術部門」というところで、二つのお仕事をしています。

一つは「学術」で、医薬品のお問い合わせに対応しています。医師、薬剤師、看護師、検査技師といった医療関係者からはもちろん、患者様からのお問い合わせにも対応しています。納得していただける情報を提供できたときや、喜んでもらえたときは、とてもやりがいを感じますね。また、学術資料の作成も行っています。医療用医療品にはその一つ一つに、添付文書(注1)という情報の添付が義務づけられています。私は、添付文書をベースにして、さらに詳しい情報をまとめた「インタビューフォーム」という資料を、医療関係者のお仕事に活用していただくため、作成しています。医薬品全品目の資料を作成していますね。他にも、薬剤師が患者さんに説明するときに使う、専門用語ではなく、わかりやすい言葉でまとめた資料も作成しています。

二つ目は「医薬品の市販後調査」で、使用成績調査を行っています。GPSP(Good Post-marketing Study Practice(注2)に準じて、製造販売後の有効性や安全性などを情報収集しています。集めた情報をまとめたら、薬の適正使用に役立つように病院や薬局へ情報提供を行います。今、私はある薬について、情報収集を行っている段階ですが、いつかいい情報になることを願って一生懸命収集しています。

注1) 添付文書:医薬品、医療機器、医薬部外品、化粧品において、警告・使用上の注意、品目仕様その他の重要事項を記載した、使用者(医師・医療機関関係者を含む)向けの製品情報記載書面

注2) GPSP:医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準

― 今のお仕事で、大変だと感じるところはありますか?

納得していただけるような情報提供ができなかった時は、つらいですね。電話を通しての対応ですので、難しいところはありますね。GPSPで難しいのは、北海道から沖縄まで、日本全国の病院から医薬品の情報を集めるのですが、なかなか集まらないときですね。

― 河部さんご自身が、お薬の開発のアイデアを出されることはありますか?

新薬についてアイデアを提案するということは、私たちの部門ではありません。製薬会社にはいろんな部門があって、医薬品の開発と安全性のために、それぞれが連携して仕事をしているため、どこの部門が欠けても成り立ちません。

「薬理部門」は薬物動態の試験をしていますし、「理化学部門」はどうやったら製剤が安定するかなどの製剤化を日々探求しています。新薬が出る場合には臨床試験をしないといけないので、「臨床開発部門」もあります。また、新薬として承認されるために申請を行う「開発調査部門」もあります。私が所属する「学術部門」でのお問い合せへの対応や製造販売後の調査も、製薬会社としては大事な業務ですね。今お話した全ての部門において、薬学部で学んだ知識を存分に活かすことができます。

― 薬学部で学んだ事がどのように活かされているか、詳しく教えてください。

全業務において活かされていると思いますね。お問い合わせの内容は、必ずしも薬物動態や臨床関連の質問とは限りません。医薬品の配合変化の情報を聞かれたり、製剤の特徴を聞かれたりもします。その時は有機化学の知識がもちろん必要になってきますね。うろ覚えだったりする時は、学生時代の参考書を開くこともあります。

あとは、文献検索や統計の講義も役立っていますね。この業務では海外における医薬品情報も必要になる場合があります。その時は、海外のサイトで検索したり、論文を読んだりしますね。院生の時に文献をたくさん読んだので少しは慣れていますが、仕事で日々読みこなしていますので、抵抗感なく楽に読めるようになったと思います。

― 学生時代の印象に残っている思い出は何ですか?

一つは、大学のダンスチーム「コスチューム」に所属していたことです。先輩・後輩関係なく友達がたくさん出来たことが、本当によかったですね。毎年五月にある体育大会の学部対抗のダンス大会にむけての練習は大変でしたが、今でも舞台に立ったときの光景、ライトや歓声を鮮明に覚えています。やっていてよかったなぁと思いますし、とてもいい思い出になっていますね。今でもコスチュームのときの友達とは連絡取り合ったりしています。

二つ目は、研究室で過ごした日々ですね。生化学U研究室に所属して、大学院まで過ごしましたので。大学院では、メタボリックシンドロームの研究をしていました。専門的な話になりますが、高血圧モデルラットにおいて、コレステロール合成に関与する酵素CYP51の発現レベルを調べていました。

他にも、実習が思い出に残っていますね。実習では、予想通りの結果が出ないこともありますが、なぜ予想通りでないか、考察しないといけませんよね。友達と一緒に図書館で調べたり、談話室でデータについて話し合ったり、お菓子とか食べながらレポート書いたりしていました。大変だったけど、懐かしい思い出ですね。

― 受験生へのメッセージをお願いします。

私は、高校時代から薬に興味があり、生物と化学が好きで、もっともっと学びたいと思って薬学に入りました。薬学部はいろんな知識が幅広く学べるところなので、すごくおもしろいと思います。在学中にたくさん実験をこなしますが、実験を通して身近な疑問も解明したりすることもあります。薬学で学ぶ知識が大きく役立つ仕事もたくさんあるので、薬学部を選択することは良いと思います。

― 最後に私たち、薬学部学生へのメッセージをお願いします。

「製薬会社の仕事」について知る機会は少ないと思いますので、今回のインタビューを通じて、製薬会社にはいろんな部門があって、その中で薬学の知識を活かして仕事のできるところだということを知ってもらえれば光栄ですし、興味を持ってくださる方や製薬会社に行きたいと思ってくださる方が増えれば、とても嬉しいです。夢を持てば、必ず叶うと思いますので、ぜひ、頑張ってください!

自分の将来像を描く上で、とても貴重なお話を聞く事が出来ました。河部さん、本当にありがとうございました。

インタビュアー:新薬3年 段、基村、渡辺

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