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薬学科の卒業生の活躍


卒業生の声

根津祥子

製薬会社の研究者として働く

2016年2月27日取材
インタビューさせていただいた先輩:2015年3月 博士前期課程 修了 根津祥子さん
現在は大原薬品工業株式会社の医薬開発研究所の分析研究部で働いてらっしゃいます。

Q1: 学生時代のご所属を教えてください

薬学部健康生命薬科学科で、4年生の卒業研究では、生物系の研究室「森山研究室」に所属していました。

Q2: なぜその職業を選択されたのですか?

もともと母と祖父が薬剤師をしていて、中学生の頃は薬剤師になりたいと思っていたのですが、高校の生物や化学の授業でメカニズムを学んでいくうちに、薬剤師として直接患者さんに薬を届けることは大事ですが、それよりもなぜこの薬は効いているのかということに興味をもって研究職を選びました。

Q3: 先輩が勤務されている会社の業務内容について差支えない範囲で教えてください。

私は安定性試験を担当しています。安定性試験というのは、まだ承認されていない製剤を別の部署の方が作成し、実際に一錠の中に主とする成分が正しく入っているか、製剤一錠一錠に均一に主成分が入っているかなどを確認しています。温度、湿度、光等の様々な環境下で医薬品品質の経時的変化を明らかにし、その結果に基づいて貯蔵条件や有効期間を設定するために実施する保存試験です。

― 試薬を入れて試験をしたりするのですか?

そうですね、品質管理のお仕事に似ています。申請に必要な試験は、全て基準が決まっているんです。例えば、腸で溶かしたい製剤なのに胃の状態に近いpHの液で溶けたら困りますよね。そういったことを見るのにもすごく大事な試験です。

Q4: 勤務先での一日のスケジュールを教えてください

会社は八時半スタートです。最初にグループミーティングをして各々の進捗状況を確認します。その後に、試験の量にもよりますが、一日かけて一つの試験をやっていきます。
試験が終わった後に前日に実施した試験の結果を入力したり、翌日の準備をしたりします。夜に液体クロマトグラフィーによりオーバーナイトで分析をかけて、次の日の朝に結果を確認するというスケジュールをローテーションでしています。

Q5: 一つの薬にどれぐらい時間をかけてするんですか?

安定性試験は一つの薬でも保存して1か月後、3か月後など、同じ製剤でも保存期間ごとに同じ試験を繰り返し実施します。この空いた期間に他の製剤の試験をしたりもします。私の会社はジェネリック医薬品を取り扱っているのですが、先発医薬品と剤形が違うために、36か月分のデータが必要な場合もあり、製剤によって試験にかかる期間はマチマチです。基本的には何か月もかかるので、長期間になります。

Q6: 仕事をしていく上で一番気を使われるところはどこですか?

今は一年目で分からないこともあるので、先輩の言われたことはとにかくメモをしています。これは学生でも研究室に入ったらする基本的なことだと思うのですが、そこを今、改めて気をつけています。それと、試験は人によって結果に差が出たらダメなので、教えて頂いたことはしっかりと意識して、丁寧に試験をするようにしています。

Q7: やりがいを感じるときはどんなときですか?その研究職の魅力を教えてください。

やりがいは自分が携わった薬が実際に世に出回ることですね。
残念ながら試験をしたのに、開発中止になる薬もあったりするので落ち込むこともあります。そんな中、自分が少しでも携わった製剤が承認されるところまでいくと、やっていてよかったなと思います。

Q8: 行き詰ったり、困ったりしたときはどのように対処されていますか?

とりあえず休んでみます。

― たとえば、どういう行き詰まりなんですか?

学部生のとき、自分の知識不足もあって本当に研究が全然できなくて。研究の進め方、何が正解か、わからないことが重なりすぎて研究室を逃げ出したこともありました。
その当時いろいろと話を聞いてくれた友人に感謝ですね。家族の理解もあり、学校が終わったら家にすぐに帰って好きなことをして息抜きしていました。

Q9: 先輩は学生時代どんな学生でしたか?

普通だとは思うのですが、周りからは「授業中前でまじめに話を聞いてるよね」って言われていました。遊びと勉強に全力でしたね。テストは一か月前から勉強していました。周りに置いていかれないようにという思いもありましたが、親に高い学費を出してもらっていたので、勉強だけはきちんとしなければと思って学業にはできるだけ励んでいたつもりです。でも夏休みとかは、いつ家に帰ってる!?というぐらい遊んでいました。勉強するときはする、遊ぶときは遊ぶめりはりをつけて何にでも全力な学生だったと思います。

Q10: 学生時代に特に頑張ったことなどありますか?

研究室に入ってからですが特に勉強には力を入れていたと思います。
研究室の先生に推されて、全国規模の学会に出て人前で発表することも経験させてもらったし、外国からお客様が来たときに英語で発表したこともあって、やっぱり勉強面・研究面ではすごくいろんなことを経験したと思います。発表なんて、昔の自分なら断っていたようなことですが、研究室で教授や助手さんからいろんな刺激を受けて、研究室の同期とも仲間、時にはライバルとして一緒に研究を頑張れたおかげで、人前で発表しようと思えるほどの自信をつけることができました。

― 今でも発表をしたり英語を使う機会ってあるんですか

学会ほどの大きな集まりではありませんが、会社では、試験が一通り終わると毎月一回、会議で発表します。英語は学生の時よりは使わないのですが、論文などは学生時代に研究室の教授から英語の生化学の本を渡されて訳したりしていたので、嫌いではないです。もう少し英語を使いたいと思っていますね。

Q11: 最後に、武庫女の後輩たちにメッセージをお願いします。

今積み重ねて努力したことが、後々自信につながって成果に残ると思います。今はしんどくてもそれを乗り越えたら、とても楽しい社会人生活が待っているので、遊びも楽しみつつ同じように勉強も楽しんで頑張ってください。一生懸命頑張ったら、素敵な企業や薬局に出会えると思います!

インタビュアー:四方、島田、志水、米谷

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