「研究室で学ぶこと」をまとめました。


研究室で学ぶこと

積極的に研究室での取り組みに参加すれば、得られるものは数限りありません。楽しさも湧いてきます。何についても言えることですが、同じことをやるのでも、その姿勢が前向きか後向きでは結果が違うものです。

どんな分野でも楽なことばかりではありません。苦労して手に入れるから身につき、価値が生まれます。努力や頑張りは必要です。苦労をしながらでも、研究の面白さを知りたい人、大歓迎です!

 

1. 研究を学ぶ

卒研生の目標

学部の卒研生は複数人でチームを組み、チームで一つのテーマを担当します。準備から実験まで、ほとんどの行程に意味があります。よく観察し、どうしてそうするのか、よく考えてください。また、どうすれば速く、正確に実験を進められるかをいつも念頭において作業してください。

 1. 教員の指導のもと、個々の実験手技を習得しましょう。

 2. 安全で精確な技術を習得しましょう。

 3. 実験の背景にある原理や知識について理解を深めましょう。

 4. 理数系の考え方(三段論法)を学びましょう。

 5. 実験結果をわかりやすくまとめることができるようになりましょう。

 6. 実験結果があらわすことを解釈できるようになりましょう。 

 

大学院生(修士課程)の目標

大学院生は、一人ずつ一つ研究テーマを持ちます。世界中の誰もがまだ答えを知らないテーマに挑戦することにより、総合的かつ応用的に問題解決能力を醸成しましょう。なぜ、その研究を行うのか、成果にはどのような意味があるのかをいつも考えましょう。実験のデザインを考える能力を身につけましょう。コミュニケーション能力を磨き、適切な議論ができることを目指してください。上記にあげた卒研生の目標の達成を引き続き努力しましょう。

1. 仮説をたて、証明し、結論を導き出せるよう、一つの完結した実験のデザインができるようにしましょう。

2. 課題を解決するための適切な情報にアクセスすることを学びましょう。 

3. 参考文献を読み、自分の研究テーマの位置づけができるようにしましょう。

4. 自らの研究内容の問題点が議論できるようになりましょう。

5. 自らの研究内容をわかりやすく説明できるようになりましょう。

 

大学院生(博士課程)の目標

研究者を目指す場合は、博士課程に進学します。博士課程では、上記にあげた卒研生、修士課程の目標の達成を引き続き努力しましょう。それに加え、研究テーマを広く議論し、他の研究者にアピール(学会など)し、さらには論文として世に問うという実践が必要です。同時に、学生に自らの技術や知識を適切に伝達する能力も養います。

 

2. 研究室での姿勢

とにかく、やってみる

研究に興味があっても、ただ机に向かって頭で考えるだけでは前に進みません。実験をして証明をすることが必須です。自身の身体を動かしてください。

あらゆることを模倣する

けいろんなテクニックを盗みましょう。プロトコルの書き方、実験の準備、物の配置、簡単なことでも、大きな違いが出ます。精確な技術を修得することも重要です。テクニックの善し悪しも研究に大きく左右します。

観察が全て

ただ「みる」だけでは何も見つけることは出来ません。研究室内のあらゆることをしっかり「観察 (observe)」してください。観察から得られた事象が大発見につながったり、重要なヒントになることがあります。

積み重ねが大事

最初は小さな目先の目標をたてて、成功させましょう。それでも研究ビギナーが成し遂げることはたいへんかもしれません。しかし、小さな成功は大きな自信を与えてくれます。そういった小さな目標を毎日積み重ねていると、無意識のうちにサイエンスの楽しさを感じ取っていくはずです。

一人では出来ない

一人でできることには限りがあります。チームとして機能することによって可能性が広がります。協調性を大事にしてください。人と人との間の風通しがよく、全員が自分のことだけでなく全体のことを考えることができるとき、チームとして前に進むことができたり、新しい力がうまれてきます。

ホウレンソウ(報告、連絡、相談)をいつも胸に

研究室の環境をよくするために努力しましょう。誰かではなく、まず自分から行動しましょう。研究室の風通しをよくするために、進んで意見を述べたり、情報を共有することは必須です。報告、連絡、相談は進んで行ってください。

成果は論文にしてこそ意味をもつ

何年かかかってでも、研究成果は論文として世に発表します。論文著者は貴重な経験になります。免疫生物学研究室からたくさんの論文を世に生み出していきましょう。

 

3. セミナーの運営

実験報告

原則として、大学院生以上(教員を含む)が1名ずつ、進捗状況を簡単に報告します。週に1回行います。

文献紹介

大学院生以上(教員を含む)が1名ずつ行います。

 

4. 学会での発表

原則的に1年1回発表ができるように努力します。研究テーマにもよりますが、日本薬学会(年会、近畿支部大会)、日本生化学会などが発表の場です。