免疫学は、その取り扱う内容が細分化、専門化していること、また現在においても重要な発見が続いていることから、全体像を掴むことは困難になっている。本講義では、免疫学のコンセプトを把握することに重点をおき、発展的な内容の理解に必要な基礎を固めることを目標とする。
免疫系において重要なコンセプトは自己と非自己の峻別であり、その仕組みが破綻することが様々な免疫疾患につながっている。本講義ではこの免疫系の本質と、非自己がどのように取り扱われ、如何にして効率よく既知の病原体が排除されるのかを重点的に解説する。また、免疫学の発展を支えてきた技術や評価系についても解説する。
1.免疫系の概念
2.自然免疫の重要性
3.B細胞の発生と分化、抗体遺伝子の再構成(x2)
4.主要組織適合性抗原による抗原提示とT細胞の抗原認識機構(x2)
5.T細胞の活性化とサイトカインによる免疫応答の制御(x2)
6.リンパ組織の構造・リンパ球の移動
7.免疫寛容
8.腫瘍免疫
9.免疫疾患(1)自己免疫疾患
10.免疫疾患(2)アレルギー
11.免疫疾患(3)その他の免疫疾患、臨床診断法
「免疫系のしくみ」の原本は下記の通りで現在は第2版(和訳は第1版)。
How the Immune System Works, 2nd Edition by Lauren Sompayrac/Blackwell Publishing
(ISBN: 063204702X)「免疫学イラストレイテッド」は高度な内容を含むが図表が豊富で視覚的理解を助ける。