薬物の多くは最終的には細胞レベルで作用することから、その作用機序を理解する上で細胞生物学の知識は不可欠である。2年次までに学んだ知識をベースに、細胞の構造と機能、細胞内で起こるイベントをより詳細に理解することを目標とする。
教科書をもとに、図表やビデオをといった視覚的な教材を併用して理解を深める。生化学、分子生物学の内容がベースになっているので、2年次までの知識を整理して授業に参加することが望ましい。
1.細胞生物学概論
この科目において学ぶことのアウトラインを理解する。
2.細胞内小器官の構成・タンパク質の選別輸送
細胞内のオルガネラの形成、タンパク質の選別輸送について理解する。
3.新生タンパク質のフォールディング・細胞内のタンパク質分解
分子シャペロンによるタンパク質のフォールディング(折りたたみ)やタンパク質の分解について解説し、タンパク質の品質管理のしくみを理解する。
4.細胞内小胞輸送
細胞内における小胞を利用した物質輸送機構について理解する。
5.シグナル伝達
受容体からシグナル分子を介して転写因子の調節に至るシグナル伝達機構の概要を理解する。
6.細胞死
細胞死の起こるメカニズム、その役割について理解する。
7.細胞骨格
細胞を形作る細胞骨格のしくみ、およびその制御について理解する。
8.細胞接着
細胞間の接着、あるいは細胞とマトリックスの接着について、そのメカニズムと調節機構を理解する。
9.細胞生物学の方法論
細胞生物学で利用される様々な研究手法を理解する。
「Essential 細胞生物学」南江堂(監訳:中村桂子、松原謙一)