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研究テーマRESEARCH PROJECT

薬剤学研究室のビジョンと研究テーマ

「治りにくい乳がんの治療方法を開発し、効きやすく安全な薬の形をデザインする」

 当研究室の薬剤学ワールドは、未来医療創薬イノベーションとフロンティア製剤開発の2つのゾーンからなる。その中で、生物薬剤学を基盤にしたアプローチで創薬ターゲットを掘り起こし、診断・治療に貢献できる基礎的知見の取得や技術開発の発展を進めている。標的としている疾患は、AYA世代後期(20-39歳)の女性に深刻な乳がんである。乳がんは初期治療が精巧しても、転移、再発、治療耐性を獲得する。この乳がんの脅威に、薬剤学ワールドを部隊として立ち向かい、「乳がんで苦しむ人悲しむ人をゼロにしたい!未来をひらく薬の開発にチャレンジする!」をモットーとして、教員スタッフは各自でテーマを持ち、学生は教員が提示したテーマの中から興味を持った研究や調査を自ら選ぶ。研究に答えはない。先生、学生と議論し、実験を重ねていくことで道筋ができ、成果が得られるプロセスを楽しんで、未知なるものに果敢にチャレンジして欲しいと切に願っている。
 薬剤学研究室では、多角的でユニークな観点からの"学際的研究"を進め、実用性はもちろんのこと「サイエンス」の広がりを大切にした起爆剤的・独創性の高い研究を目指している。医療応用を目指すためにも、これまでの研究成果をベースに、制御機構の仕組みの解明を重視し、その機序を薬剤学にフィードバックするといった「薬剤学発分野横断型・融合型」の新しいアプローチで、創薬、治療法の開発に貢献したい。本手法は、これから薬剤学の発展のみならず、薬学の創薬開発に必要な未開拓分野に挑むために、極めて重要な手法である。武庫川女子大学から世界へ、薬学研究領域に新たな旋風を巻き起こす研究を、情熱を持って推進していく。


文章・画像は「中瀬朋夏、薬剤学ワールドから未来のくすりをつくる、薬剤学, 84(3), 159-162 (2024)」より一部改変して引用