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治療の臨床試験 (治験) とはインタビューさせていただいた先輩:美濃靖子さん現在はリニカル株式会社で働いてらっしゃいます。 |
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Q1: お名前を教えてください。
美濃靖子です。
Q2: 治験とはどのような仕事ですか?
治験とは、病院などの実際の臨床現場で、患者さんにくすりの候補物質を使った治療に協力頂き、その効果や副作用の有無を確認し、新薬として有用であるのかを検討することです。
Q3: 実際の業務内容とはどのようなものですか?
私は、クオリティーコントロール (品質管理業務) を行っています。具体的には、治験がスムーズに進行し新薬が承認されるよう、会社内でモニターさん (治験を実施する医療機関を訪問し、治験薬、実施計画書および手順書を説明し、手順通り正確に行われているかモニタリングを行う人) から提出される、治験を実施するために必要な書類や記録が、手順書およびGCP*に則り、きちんとなされているかをチェックしています。
GCP*: 「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(=Good Clinical Practiceの略)
国が定めた規則。
詳しい内容は、厚生労働省のホームページでもご覧いただけます。
Q4: なぜ治験業務を選択されたのですか?
まず、大学受験の際に、人の健康や医薬品に関わりたいと思い、薬学部を選びました。薬学部に入学し、大学の講義を受けていくにつれ、だんだん医薬品の開発に関心がわき、興味をもちました。開発関係の就職先を探している中で、今の職種に出会いました。
Q5:1日のスケジュールはどのようなものですか?
9時に出社します。9:00〜12:00が午前中の業務で、出社するとまずメールをチェックし1日のスケジュールを立てます。12:00〜13:00は昼食の時間で13:00〜17:30までが午後の仕事です。仕事終わりには同期や先輩方と食事に行くこともあります。
Q6: 仕事で気をつかうことはどのようなことですか?
最も気を使うことは書類等のチェックを見落とさないことです。
Q7: 仕事のやりがいを感じるときはどんなときですか?
治験は1年かかるものもあれば、5年かかるものなど様々です。長い時間をかけて実施するため、承認され、世の中に新薬が出るときには達成感があるのではと思います。
Q8: 行き詰まったときや困ったときはどうしますか?
まずは自分で調べることをこころがけています。それでもわからないときは会社の先輩に聞きます。
Q9: 先輩は学生時代どんな学生でしたか?
1、2回生の間は授業やテスト等目の前のことに必死になっていました。学業以外では週に1回のテニスサークルに入っていたため、他学科の人や、他大学の人とコミュニケーションをとることが出来、友達の輪が広がりました。3年生の後期に研究室配属が決まってからは、実験が好きで、毎日研究室に行っていました。授業がない時は、必ず研究室に行き、実験だけではなく、動物のお世話をしに行ったりしていました。
Q10: 研究室は薬理学2とのことですが、なぜ薬理を選んだのですか?
人間に近い体内動態をもった、動物を用いた実験をしたいと思い、その中でも研究内容に興味があったので選びました。
Q11: 武庫女に入ってここがよかったな。と思うとこはどこですか?
先生と生徒の距離感が近く、親近感があり、勉強したいことが出来る環境が良かったと思います。卒業してからも、大学に訪れた際に快く受け入れてくれる先生がいることは嬉しいです。
Q12: 現役の学生に今のうちにしておいた方が良いこと、しなくて後悔したことはありますか?
大学を卒業し、社会人になって思ったのですが、全ての人が自分がしたいことを仕事に出来ている訳ではないように思います。少なくとも興味があることを仕事にすることが出来れば、大変な時にでも乗り越えることが出来ると思うので、学生のうちにしたいこと・興味があることを見つけ、将来に向けて調べていると選択肢も増えると思いました。また私の会社ではテストがあるため、テスト勉強もしているのですが、きちんと勉強できるのは学生のときだけだなと思います。今、武庫女で授業を受けたいなと思っても受けられませんからね。
Q13: 会社のテストとは、どのようなテストですか?
GCP*や臨床検査 (検査値、症状から考えられる病気を推測するなど)に関するテストです。
Q14: 最後に武庫女の後輩にメッセージをお願いします。
勉強はもちろんですが、大学生だから出来ることを楽しんでほしいです。学生生活を楽しく過ごせるように日々、頑張ってください。
インタビュアー:松下、四方、岡