薬用植物園だより
ごあいさつ
甲子園球場のほど近く、浜甲子園キャンパス内にある薬用植物園です。 薬学教育や学術研究に活用することを目的に、
主に日本薬局方収載生薬の基原植物や民間薬として使用される薬草など、
普段は見ることの少ない薬用植物約250種類をコンパクトにまとめ栽培しています。 園内にはガゼボハウス、藤棚、ベンチなどの憩いのスペースも備え、
学生の講義や実習以外に、薬剤師の卒後・生涯教育や地域の方々を対象とした見学会なども行っています。
一人でも多くの方が足を運び、四季折々の植物に触れ、時には香りや味も試しながら、
ゆっくり観察できる環境作りをめざしています。せひお越しください。
薬用植物園長 奥 尚枝
(生薬学研究室教授)
奥 尚枝
土野 洋子
施設のご案内
- 薬用植物園配置図
- 植物の中には忌地(いやち)現象のため、毎年同じ場所では育たない品種があります。
そこで、薬用植物園の配置は毎年変わります。
季節ごとの薬用植物の配置図は以下から取得できます。
1標本園
小区画ごとに植物が植えられ、季節ごとに開花や結実状況を提示した配置図を用意しています。
2薬樹園
キャンパス内の樹木のほとんどが薬木ですが、南西側の一区画を薬樹園として整備し、
藤棚やベンチなどの憩いのスペースも備えています。
3温室および冷室
温室および寒地性植物栽培室(冷室)では温度変化に弱い薬用植物を植栽しています。
- 実習・一般見学風景
- 薬用植物・生薬学の講義、生薬・天然物医薬品を取り扱う実習のほか、日本薬剤師研修センターによる
「漢方・生薬認定薬剤師」資格試験実習、シニアカレッジや市民講座などの講義、高校生を対象とした
薬用植物スクール、地域の方々を対象とした一般見学会などを行っています。
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漢方認定薬剤師実習
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学生実習
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一般見学
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薬用植物園スクール
- 標本について
- 冷室の標本棚では、その年に採集した薬用植物を乾燥させて「生薬」にしたものを展示し、
自由に触ることで基原植物と生薬の関係を実感できます。
実習棟の標本室では、約600種類の生薬標本を保存管理しており、今では手に入れることが難しい全形生薬標本もあります。
-
冷室の標本は、
自由にさわることが
できます。 -
ウコン(左)とガジュツ(右)
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約600種の生薬の標本を
保存管理しています。 -
全形生薬の標本
- 薬用植物園を
活用した研究 - 薬用植物園で栽培される植物を使った様々な研究を行なっています。 例えば...
スイフヨウ(酔芙蓉)の花色変化
スイフヨウは、朝に白い花を咲かせますが、午後になるとだんだんピンクにかわり、夕方には紅くなり、夜にしぼむ一日花です。その様子が酔っているようだということから、酔芙蓉と名づけられたと言われています。
この花色の変化は花びらの液胞内における植物色素アントシアニンの蓄積によると言われていますが、その詳細は明らかにされていません。そこで、この花色の調節メカニズムの解明を目的とし、蓄積に関与するアントシアニジン合成酵素のmRNAの構造解析や花色変化との関係を検討しています。
見学について
随時見学を受け付けています。
興味のある方は以下の「見学申込書」からお気軽にお申し込みください。
アクセス
- 武庫川女子大学 浜甲子園キャンパス
- 〒663-8179 兵庫県西宮市甲子園九番町11-68
- TEL 0798-45-9931(代表)