研究テーマ

1 腎臓がんにおける診断マーカー・創薬ターゲットの探索
2 ビスホスホネート製剤の抗腫瘍効果に関する研究
3 抗がん剤の個別化医療に関する研究
4 ベプリジルの相互作用に関する研究
5 クルクミンの体内動態に関する研究
6 後発医薬品の品質評価に関する研究
7 医薬品の適正使用に関する研究

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1 腎臓がんにおける診断マーカー・創薬ターゲットの探索

腎臓がんは、成人がんの2-3%を占め、日本でも年間3000人が死亡しています。外科的切除が標準療法となっていますが、遠隔転移の認められる患者では、予後が非常に悪いことが知られています。
臨床では、腎臓がんを早期発見するための有効な診断マーカーがないこと、化学療法や放射線療法があまり有効ではないことが問題となっています。近年、分子標的薬が開発され、その有効性に期待が持たれています。
これまで、腎臓がんのプロテオーム解析を行い、がんに特異的に高発現しているタンパク質を同定しました。
現在、それらのタンパク質が診断マーカーになり得るのか、あるいはそのタンパク質が創薬ターゲットとなり得るのかについて検討を行っています。
また、腎臓がんの腫瘍増殖機構を検討し、新たに創薬ターゲットの探索になり得る分子の探索を行っています。

2 ビスホスホネート製剤の抗腫瘍効果に関する研究

ビスホスホネート製剤は、破骨細胞のアポトーシスを誘導することにより、骨粗鬆症などに用いられていますが、近年、種々のがん細胞に対しても抗腫瘍効果を示すことが明らかにされ、注目されています。
そこで、多発性骨髄腫に対して治療薬となり得るかどうかを検討する目的で、ビスホスホネート製剤の抗腫瘍効果およびそのメカニズムについて解析を行っています。

3 抗がん剤の個別化医療に関する研究

近年、新規抗がん剤の開発や有効なレジメンの開発が進み、抗がん剤を用いた化学療法は、非常に期待されています。しかし、多くの抗がん剤は、重篤な副作用が頻繁に起こり、時には、治療効果が現れず、副作用のみが出現する場合もあります。したがって、抗がん剤の有効性を確保しつつ、副作用を最小限に抑える努力が不可欠です。

注射用抗がん剤の静脈炎発症に及ぼす種々の因子を解析し、その軽減法について、報告しています。

抗がん剤の効果・副作用に与える影響因子について解析しています。抗がん剤の血中濃度や患者の遺伝子解析等により、患者個々に投与薬剤・投与法の選択を行えるような研究を行っています。

4 ベプリジルの相互作用に関する研究

ベプリジルはCa2+チャンネル抑制作用を有し、Na+,K+-ATPase阻害作用を合わせ持つ抗不整脈薬で、持続性心房細動の適用が追加となり、使用頻度が増加しています。しかし、その体内動態は不明な点が多く、相互作用についても情報がほとんどありません。そこで、ベプリジルの体内動態および相互作用について検討を行っています。

5 クルクミンの体内動態に関する研究

ウコンの有効成分として知られるクルクミンは、抗腫瘍作用、抗酸化作用、抗炎症作用などが知られていますが、その体内動態や相互作用については、不明な点が多く残されています。そこで、種々の実験系を用いて、クルクミンの体内動態に関する研究を行っています。

6 後発医薬品の品質評価に関する研究

増え続ける国民医療費を抑制する方策として、後発医薬品の使用促進事業が行われています。しかし、その品質について、いまだ不安があるのも事実です。そこで、後発医薬品の品質評価を行っています。


7 医薬品の適正使用に関する研究

医薬品の適正使用は、薬剤師に課せられた大きな責務です。臨床の薬剤師の先生方と臨床の多くの課題について、共同研究を行っています。共同研究を実施したい先生、あるいは研究結果を論文として発表したい先生は、協力させていただきますので、遠慮せずお問い合わせください。
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